- 最高2年11ヵ月だけの期間限定
- 派遣ではなく雇用先の契約社員
- 未経験でも給料が高い
期間工とは!?
「期間工(きかんこう)」とは、主に製造業界(特に自動車工場や電子部品製造工場など)で働く契約期間が決められている契約社員のことを指します。
期間工の「工(こう)」は「労働者」を意味しており、元々は手で何かを作り出すという意味を持つ「工夫」からきています。
求人票では「契約社員」と表記されますが、会話上では「期間従業員」や「期間工」と呼ぶのが一般的です。
期間工の契約期間(雇用期間)は2年11ヶ月と定められていることが多く、これは労働法により3年以上の有期雇用が無期雇用(いわゆる正社員)に切り替える義務があるため、その直前で契約期間終了が設定されています。
期間工の給料は企業や業界によりますが、学歴やキャリア関係なく月給30万円・年収400万円以上が期待できる求人が多数あります。
しかし、これはあくまで一般的な相場であり、具体的な給料は仕事内容・勤務地・業績・勤務時間等により変動します。
また手当て・給与・福利厚生などは、全て働く企業から受けることが可能です。
期間工として働くことを考えている場合、具体的な待遇や雇用条件、仕事内容などをしっかりと確認し、自分に合った企業に応募しましょう。
期間工の定義
期間工の役割と業務内容について説明します。
どんな仕事をするか理解しておくだけで、働いたときのイメージが付きますし変なギャップも生まれません。
期間工の役割
主に一時的な労働力を増やしたいときや、定期的な業務を正社員よりも安く楽に雇用するために存在します。
フルタイムの従業員と同じく具体的な業務を遂行してもらうので、期間工の雇用は企業にとって、労働力を柔軟に調整できる大きな利点となります。
逆に働く人は、勤務時間に決められた仕事を淡々とこなすのが役割です。
期間工の業務内容
採用される企業・業界・工場により大きく異なりますが、一般的には製造業の業界で工場に勤務し、
- ライン作業
- 製品の組み立て
- 機械の操作
- 溶接
- フォークリフトで荷物の運搬
- 塗装作業
などを行います。
体力仕事が多い一方で、検査業務など楽な仕事もあります。
基本的には未経験者でもこなせる仕事しか期間工には任されません。
1ヵ月経過すれば大多数の人が慣れる仕事ばかりで、逆に同じ作業ばかりで仕事がつまらないと思う人もいるそうです。
期間工・正社員・派遣社員の違い
それぞれ雇用の特徴があり、短所・長所があります。
簡単に特徴をまとめると以下になります。
雇用形態 | 安定性 | 報酬と福利厚生 | 業務内容 | キャリアパス |
---|---|---|---|---|
期間工 | 低 | 中 – 高 | 特定業務 | 限定的 |
派遣社員 | 低 | 低 – 中 | 特定業務 | 限定的 |
正社員 | 高 | 高 | 多岐に渡る | 広範囲 |
期間工として働く際には、一定期間だけ働くという点で派遣社員に似ていますが、期間工の場合は就業先の企業と直接雇用契約を結ぶ点で異なります。
求める条件によっては期間工がミスマッチになる危険性もあるので、特徴は必ず理解しておきましょう。
雇用の安定性が違う
正社員は基本的に無期雇用で、企業の業績や経済状況による影響は他の雇用方法よりも少なくすみます。
対して、契約社員・派遣社員・期間工は契約期間が終了すると、再雇用されるかどうかは保証されません。
目の前の収入よりも将来の安心を優先したい人は、最初から正社員採用の求人に応募しましょう。
報酬と福利厚生が違う
正社員は基本給やボーナス、さまざまな福利厚生を享受できます。
一方、期間工・契約社員・派遣社員は報酬や福利厚生が正社員に比べて少ないことが一般的です。
また派遣社員の場合は、派遣元の社員であるため、働いている工場が提供している福利厚生を同じように受けることが出来ない場合もあります。
業務の内容と範囲が違う
正社員は企業全体の業務を担当したり、部署移動することがありますが、派遣社員・契約社員・期間工は特定の作業をひたすら行うことが多いです。
手に職を持つのは基本的には難しいと思っておきましょう。
キャリアパスが違う
正社員は長期的なキャリアパスが見込まれ、昇進や部署異動の可能性があります。
しかし、期間工・契約社員・派遣社員は一定の職務経験を得られますが、昇進の機会は限られることが多いです。
期間工のメリット
期間工になるべきか迷っているのであれば、どんな恩恵があるかをしっかり理解しておきましょう。
迷っている人は、メリットを知ってポジティブな気持ちで期間工の面接に臨んでください。
高収入の可能性
期間工として働く最大の魅力の一つは、高収入の可能性です。
このような状況では、企業は必要な労働力を確保するために、期間工に対して通常の正社員と比較して高い賃金を支払うことがあります。
その理由に満了金・残業手当・夜勤手当などが挙げられます。
さらに、一部の企業では、宿泊施設や食事、交通費といった福利厚生を提供し、実質的な手取り収入を増やしています。
一時的に大きな収入を得ることで、生活の質を向上させたり、貯蓄や投資を行ったり、自己啓発に費用を使ったりする人もいますが、圧倒的に借金返済を理由に働く人が多い言われています。
5万~100万円の入社お祝い金を配る企業もいるため、稼ぐなら期間工を選ぶのは間違いではありません。
未経験でも採用される
特別なスキルや経験がない人でも採用されます。
これは多くの期間工は、一定の研修と先輩社員のフォローがあれば誰でも仕事を覚えてこなすことができることを意味しています。
特に製造業では、初めての仕事でも体力と意欲があれば、期間工として採用される可能性は高く、とくに20代は他の年代よりも高い採用率を誇ります。
明確な業務内容
研修もあるし、やり方も先輩社員が教えてくれます。
決まった仕事(ライン作業など)を延々とこなしていく仕事が大半です。
逆に単調過ぎて、「つまらない」「あきる」といった人もいるので、どのラインに配属されるかで仕事が続くか続かないかが決まります。
働きたい期間で働ける
期間工として働くことの一つの魅力は、自分自身のニーズやライフスタイルに合わせて働きたい期間を選べる点にあります。
実際に働いてみて、初回満了の3ヵ月や6ヵ月で退職を選択することも可能です。
夜勤有りの求人の面接で、夜勤やりたくないと言ってしまうと、かなり高い確率で不採用となります。
仕事によっては資格取得が可能
全ての期間工ではないにしても、期間工でも資格取得できたり、キャリアとして身になる人もいます。
会社や企業によって違いますが、
- フォークリフト
- 玉掛け
- クレーン
- 技能士
など、取得支援制度をウリにしている企業もあります。
体表的な対象企業は以下が挙げられます。
期間工後の再就職も考慮して期間工になりたい人におすすめです。
期間工のデメリット
期間工はおいしいメリットだけではなく、必ずデメリットも潜んでいます。
メリットと比較しながら、本当に自分には期間工が向いているか・希望の期間を過ごせるかをイメージしてみましょう。
厳しい労働条件
製造業における期間工の職場では、長時間労働や重労働が一般的です。
一日の勤務時間が長いだけでなく、夜間や週末、祝日に働くことが求められる場合があります。
また、生産ライン上で働く場合、立ち仕事が基本となり、肉体的に厳しいことが多いです。
さらに、期間工は特定のプロジェクトや期間に絞られた雇用であるため、その期間中に指定されたタスクを完了するためには、予定外の時間を働くことが求められることもあります。
社会保障が不十分
期間工の雇用形態は一時的であるため、社会保障の面で恒久的な雇用に比べて不十分な場合があります。
具体的には、退職金など長期間働くことにより得られる恩恵が制限される可能性があります。
特に雇用期間が短い場合、一定の期間働いた後に失業した場合の保障が不足していることが問題となることがあります。
医療保険や年金制度についても、短期間の雇用では加入条件を満たさない、または加入後も給付が制限される可能性があります。
キャリアアップの道が狭い
期間工の後に再就職しようとしても、履歴書的には汚点となる可能性もあります。
誰でもできる仕事・スキルがない人がやる仕事と判断されることもあるかもしれません。
資格取得ができる期間工や、同じ工場勤務の仕事で正社員を目指すなど、先のことも考えて期間工になる選択がするのが望ましいです。
雇用の不安定さ
期間工はその名の通り、特定の期間だけ働くための契約です。
そのため契約期間が終了すると、雇用は終了してしまうため継続的な収入を保証するものではありません。
さらに、契約更新が保証されているわけではなく、業績や経済状況、企業の需要などによっては更新されない可能性もあります。
満期の2年11ヵ月経過する前に、半年や1年で会社都合による退職を強いられる可能性が常につきまといます。
期間工の求人例
具体的な期間工の職種や業界、企業の例を挙げ、その仕事内容や待遇を説明します。
業界最人気はTOYOTA
期間工といえばトヨタと言っても過言ではありません。
常に募集もしてますし、高待遇であることが最大の特徴です。
想定月給 | 30万円 |
---|---|
想定年収 | 445万円 |
入社お祝い金 | 40万円 |
寮費・水道光熱費 | 0円 |
勤務地 | 愛知県豊田市・碧南市・田原市など |
高額求人が多いエリアは愛知県
トヨタ関連の子会社が多いこともあり、愛知県には数多くの工場があるため、その分期間工の募集も全国トップクラスに多い都道府県です。
もっと条件ごとに詳しく全国のおすすめ求人を知りたい人は、↓の記事をご覧ください。
期間工の応募方法
期間工の応募ルートはいくつかあるので、自分にあった方法で応募しましょう。
どのルートを使うにせよ、早く応募を済ませるのがポイントです。
人気の期間工は応募が殺到して、いざ応募しようしても募集停止していることもあるからです。
派遣会社を経由する
派遣会社は多数の企業と契約しており、期間工に限らず派遣やバイトまで幅日織職種や工場での仕事を提供できます。
働きたい企業の条件を伝えると、一番マッチした求人を紹介してくれたりと、転職アドバイザーが在籍していることもあります。
また派遣会社は求職者と企業との間の連携を助け、履歴書の提出や面接の手配などの面倒なやりとっりも代行してくれます。
派遣会社を経由して期間工に応募することはメリットばかりで、職を探す過程を効率化し、自分に最適な仕事を見つける可能性がアップするでしょう。
派遣会社として有名な企業はこちらになります。
求人サイトを経由する
求人サイトは、多数の企業からの求人情報を集約して掲載しており、自分で好きなときに好きな条件で検索。
そして気に入った求人票にその場で応募できるのが最大の利点です。
多用な検索機能で希望の条件(地域、業種、給与、勤務時間など)に合う求人を簡単に見つけることができます。
多くの求人サイトは直接サイト上で応募することが可能で、隙間時間で調べたり手間を省いたり、複数の企業に一度に応募できるのも魅力です。
工場求人を豊富に扱っているおすすめの求人サイトは以下になります。
直接応募する
企業によっては、公式ホームページに期間工の求人ページを設けていることがあります。
この場合は、派遣会社を通さず、仕事内容や条件について直接企業に問い合わせたり、面接(企業説明会)に応募することができます。
業者を間に挟まない分、合否の結果が早かったり、質問の回答も早かったりするので、働きたい企業が決まってて、一日でも早く働きたい人におすすめです。
しかし、直接応募する際は自己PRや企業研究など、自身で調べなければいないので、準備に自信がある人におすすめです。
まとめ
期間工は、2年11ヵ月を期限とした限定的な社員です。
一見、期間が限られた限定的な仕事に思えますが、その背後には大きなチャンスが隠されています。
無資格・未経験・学歴不問で、ただ真面目に勤務するだけで高収入が得られる数少ない求人ジャンルです。
これは多くの人々にとって希望を与える可能性があるのではないでしょうか。
さらに、寮費無料で住まいを提供してくれるメーカーも多数あり、生活面の補助もしてくれます。
これは、新たな生活を始める際の大きな安心材料にもなるでしょう。
ただし、期間工は肉体労働であることは間違いありません。
体調管理がかなり重要になり、どれだけ長く働けられるかがポイントです。
自身の健康を最優先に考える必要があるということを忘れず働いてください。
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